ディスクブレーキとは写真のような金属状の板(ローター)が車輪の中心部に付いているブレーキのこといいます。一昔前まではマウンテンバイクのレース用に使われてましたが、最近街で多く乗られているクロスバイクや街乗りマウンテンバイク等にも装備されることが多くなりました。
利点は制動力が強く、リム(写真でいうとオレンジの部分)の雨による濡れや泥などの影響を受けないことと、ビジュアル的にもかっこいい、などが挙げられますが、その強さの反面、非常に日頃のメンテナンス等は繊細で調整もシビアです。そのうち、一番多いトラブルの例をひとつ挙げてみますね。
図1は最初の写真の自転車から車輪を外した画像。黄色い矢印の部分、車軸と車輪本体(ハブ)がずれているのわかりますか?え・・・?
こんなわずかな隙間がなんか影響あるの?と思いでしょうが、そうなんです、そんな「わずか」な狂いも許されないのがディスクブレーキなんです。
では図2を見てくださいこれは図1の車輪を自転車本体に戻して、キャリパー(金属の板をはさむ、ブレーキ本体)との隙間を写したものです。
矢印に向かって右側がキャリパーにわずかに接触しているの、わかりますよね?つまり図1のハブの「わずかなズレ」がここで影響してきます。実際この状態で走ると「シュッ、シュッ、シュッ」と音がします。接触しているということはブレーキパッドの片方ばかり減り続けていき、ブレーキ本体の作動が左右ばらばらになって最悪パッドの脱落やパッドを止めているピンが吹っ飛び、「ガガッ!ガガッ!ガ~!キュ~ッ!!ドテッ~!」
てなことにならないように異音がしたら早目に直しましょう。図3はハブを分解、部品交換、掃除して、車体に戻したものです。
まっすぐ、正しい位置にあるでしょ?
ところで?そもそもなんで車軸とハブに隙間ができたの?
そこです!さっき私が「街乗り自転車」といったのは、つまり簡単に言うと街乗り用の自転車には精度が低いハブが使用されていることが多いんです。これは購入されたお客さんが悪いのではなく、販売する側に問題があると私は思います。「このハブ、スポークでディスクブレーキはちょっと無理が・・・」といのは正直言ってあります。特に最近、ネット通販などで購入される方も増えてますが、販売する側も何の説明もなくポンッと送ってあとは知りましぇ~ん!みたいな売り方が多く、困っているお客さんがたくさんおられます。かといって通販購入の自転車を街の自転車屋さんに持って行くと、全てとは言いませんが、あんまりいい顔してもらえないのも事実です。ディスクブレーキなどの繊細はメンテナンスを要求される自転車を購入される場合はある程度の知識とバックアップしてくれる地元の自転車店を知っておくことも大切だと思います。ちなみに当店は通販購入の自転車でも全然OKなので相談、修理はいつでもどうぞ~